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クメール奇跡絣
カンボジアシルク
No.
1
歴史
No.
2
出会い
カンボジアは、古くはインド文化を色濃く受けた扶南王国から、今のカンボジア国家の起源となるクメール人による真臘を経て、9世紀にクメール王朝が始まり、東南アジアの大陸部のほとんどを支配下に置く大帝国となりました。
そしてその時代、王宮には織物の工房があったとされ、品質の高い絹織物が生産されていました。カンボジアは世界でも有数な絹織物の産地だったのです。
十数年前、初めてカンボジアへ旅行をしたときにお土産物を売っている少女から一枚の布を買い求めました。
その美しい柄が織り模様であると気づき、調べてみるとクメール絣という、長い歴史と伝統を持つ素晴らしい絹織物だということがわかりました。
3
No.
由来
糸の段階で染め分けし文様を織り出す「絣」の技術は7世紀ごろにインドで発祥したと言われています。
インドから、カンボジアを含む東南アジア全域へ、10世紀には中東イスラムからヨーロッパへも広がりました。
日本には14,15世紀に東南アジアから琉球に伝わり「琉球絣」が織られるようになり、18世紀に琉球を統治した薩摩藩により本土へ伝わりました。
クメール絣の伝承
絣織が伝わったクメール王朝時代、カンボウジュ種の蚕の絹糸で織られた織物は世界最高峰の絹織物として世界に名を馳せていました。
その精緻な織りの技術は設計図やマニュアルがあるわけではなく、
代々母から子へ「手の記憶」として受け継がれてきました。
しかし1970年代に始まった20数年にも及んだ内戦で織り手たちは
多数亡くなり、その伝統織物の技術は一時途絶えてしまったのです。
その後、内戦が終息するとカンボジアの伝統織物の復興を
目指す取り組みが始められました。
そして今、わずかに生き延びた数少ない、歳のいってしまった職人たちの記憶から、昔ながらのクメール絹絣を蘇らせることに成功し、
少しずつ復興の兆しを見せてきています。
帯の完成
すべて手作業で作られるクメール絹絣は本当に希少なものです。多くの人たちの努力で復興したこの素晴らしい伝統織物のことを日本の人たちにも知って欲しいと、私たちが取り扱う帯に取り入れてみようと思いつきました。
現地でクメール絹絣を購入し、京都の西陣織の老舗・京藝さんに帯の製作を依頼しました。
そこには私たちの思い、カンボジアの悲惨な歴史を潜り抜け復活したこの伝統織物に未来への希望を込めて、「幸せになりますように」というクメール語「សូមឱ្យអ្នកសប្បាយចិត្ត」を織り込んであります。
未来へ
クメール絹絣の技術は設計図があるのではなく「手の記憶」として受け継がれています。クメール奇跡絣の帯を制作・販売することでこの素晴らしい伝統技術の復興と伝承の力になりたい、そして同時に、その帯を合わす着物をも広めることで着物に込められた日本の伝統技術の継承にも役立っていければと願っています。
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